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アナフィラキシー

アナフィラキシーとは

 過敏症の4分類のうちのⅠ型過敏症≒アレルギーのうち、特に急速かつ重篤な全身症状を示すものをアナフィラキシーと呼びます。発症した場合自覚症状として無力感、動悸、息切れ、吐き気、腹痛、便意や尿意、痒み、しびれ、耳鳴り、めまいなどの症状が現れます。他方他覚症状としては冷や汗、血圧低下、チアノーゼ、くしゃみ、咳、呼吸困難、嘔吐、下痢、失禁、皮膚蒼白・発赤、蕁麻疹、腫れ、けいれん、意識障害などが見られます。

 この状態で持ち直せればいいのですが、さらに症状が進行してアナフィラキシーショックと呼ばれる生命を脅かす危険な状態になることがあります。これは全身性にアレルギー=炎症反応が強く出た結果血圧が極端に低下してしまい、心臓が働けなくなってしまう状態です。体質や暴露経路にもよりますがこの状態に至るまで30分程度との報告が多く、迅速な処置が必要となります。食物アレルギーを持つ方がアレルゲンを誤食してしまい意識を失うという事故を時折耳にしますが、これだけ危険なものだということをご理解ください。

過敏症の分類

Ⅰ型:抗体と肥満細胞、好塩基球が関わる。血管拡張、血管透過性亢進、浮腫、痒みなどが現れる。人間では食物アレルギー、蕁麻疹、気管支喘息など

Ⅱ型:抗体が誤って自己細胞に結合し、細胞が破壊される。人間では不適合輸血、重症筋無力症、バセドウ氏病など

Ⅲ型:抗原、抗体などが結合した免疫複合体が局所に沈着し、障害を起こすもの。人間では関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど

Ⅳ型:抗体を介さない遅延型。人間だと金属アレルギー、臓器移植時の拒絶反応、ツベルクリン反応など

動物におけるアナフィラキシー

 愛玩動物で見られるアナフィラキシーの原因は多くはなく、①ワクチン接種、②食品、③昆虫の刺傷のほか、④検査や治療によって引き起こされることがあります。これらの中で特に問題となるのは①ワクチン接種かと思われます。主な症状は接種後30分程度の間に現れる嘔吐や皮膚の痒みなどです。時に顔が丸く腫れあがる「ムーンフェイス」という症状が現れることがあります。

 定期的なワクチン接種をされている方はその都度説明を受けているかと思われますが、ワクチンの副作用としてアナフィラキシーは無視できませんし、また完全に防ぐことも難しいと思われます。というのもワクチンというものは体に「抗原」を注入して予め抗体を作ってしまおうというものだからです。この「抗原」という言葉、アレルギーのページでも何度か使いました。ざっくり言えば抗体が反応するターゲットのことです。ウイルスや細菌、他人の臓器など、「自分以外のもの」が全て該当します。この中で特にアレルギーを起こすものが「アレルゲン」です。ワクチンは、予防したい病気の病原体を体内に取り込むことで免疫を作ります。この時そのまま病気になってはよろしくないので、勢力を弱めます。A.生きたまま病気にならないように改良する(生ワクチン)とB.殺してしまってパーツだけ使う(不活化ワクチン)という2通りがあります。Aは病原体が生きているので体内で増え、強い免疫を得やすいですが、先祖返りを起こして勢力が戻ってしまう可能性が一応あります。小児麻痺(ポリオ)のワクチン接種で発症してしまうことがあるというのが実例です。Bはすでに死んでいるので発症することはありませんが、増えない分少し免疫が弱くなりがちですので、複数回や定期的な接種が必要となったり、免疫反応を強くする物質(アジュバンド)を添加したりしています。このアジュバンドや、製造過程でどうしても混じってしまう不純物(A,B問わず)がアレルゲンとなりやすく、ワクチン接種後のアナフィラキシーの原因となってしまいます。蛇足ですが、上記のポリオについては最近は不活化ワクチンも使われているようですね。人間のお医者様とよく相談してください。

 ②食品が原因のものは人間の重い食物アレルギー症状をイメージしてください。食べてすぐに全身が痒くなるのはアナフィラキシーと言って差し支えありません。食物アレルギーを持っている子は十分に注意してください。

 ③昆虫の刺傷の中ではハチが問題になります。ハチの毒液は様々な物質が溶けており、その中には抗原となるものも存在します。ハチに2回刺されると危ないというのはこの抗原によるもので、1回目はいわば予防接種のような状態になります。2回目の時はすでに体が知っている抗原なので一斉に攻撃を仕掛け、仕掛けすぎ、過敏症、アナフィラキシーとなってしまいます。ちなみに複数回刺されても大丈夫なことはありますし、逆に初めてでも重いアナフィラキシーを起こすこともあります。また毒液の中には「ヒスタミン」も含まれています。この「ヒスタミン」は体内にも普通に存在するのですが、これはアレルギー反応に関わり、これが注入されることでアレルギー様の症状が直接引き起こされてしまいます。そのためハチに刺された際の治療はアレルギーの初期治療に似たところがあります。

 ④の中では麻酔薬や造影剤がによるアナフィラキシーが知られていますが、これらの場合は当然ながら獣医師の監督下で使用されます。ある意味安全と言えるかもしれません。まれにある種の抗菌薬のアレルギーを示す動物もいるので、お薬のあとは様子を見てあげてください。

対策・治療法

 症状の程度にもよりますが、いわゆる食物アレルギー程度の軽い症状ならば通常のアレルギーの治療で十分なことがあります。問題は重篤化しアナフィラキシーショックに向かってしまう場合です。この時は呼吸困難や心臓停止に至ることもあり、非常に危険な状態です。迅速な救命処置が必要となります。許された時間は30分程度です。アレルゲンを含む食品を誤食してしまった時は異常を感じたら、ハチに刺された時は速やかに受診してください。

 またワクチン接種後はアナフィラキシーが起きる可能性があるので、当院では注射後30分程度は様子を見させていただきます。時間のご都合をよろしくお願いいたします。午前中の接種を推奨するという病院があるのはこの事情によるもので、午後も遅い時間だともし発症した際にすでに人手が無く、速やかな処置ができない可能性があります。たかがワクチン、されどワクチン。油断は禁物です。

 アレルギー体質の動物の場合や、品種によってはワクチンアレルギーを起こしやすいことがあります。純血種や特にダックスフントはこれが起きやすいとされていますので十分にご注意ください。ただ、各ワクチンメーカーさんもこのことは重く受け止めているようで常に改良は重ねられていますので、どうか安心してお使いください。

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