諏訪市の犬・猫の往診専門動物病院 諏訪市、岡谷市、下諏訪町、茅野市、富士見町、原村、辰野町など往診いたします

〒392-0131 長野県諏訪市大字湖南桜坪1051(事務所)

ご予約・お問い合わせはこちらへ

090-3800-4957
診療時間
 9:00〜18:00
休診日
 金曜日
(研修などのため臨時休診あり)
ご注意
木曜日終業~土曜日始業の間は
完全休診となります

VISA、Mastercard、SAISON、JCB、American Express、Diners Club、Discover Coineyでクレジットカード決済

アレルギー

アレルギーとは

 花粉症、アトピー、食物アレルギーなど、現代社会にはアレルギーが蔓延しています。環境が清潔になりすぎたために、本来対応するべき免疫機能の行き場がなくなってしまい、それが暴走した結果アレルギーとして発症するという話もありますが、まだ真相は解明されていません。私が小学生の頃だったと思いますが、寄生虫に感染すると花粉症を防げるなんて話も聞いた覚えがあります。実行はしたくありません。ことの経緯はともかくとして、本来体を守るはずの免疫機能によって体が障害を受けるという本末転倒の状態、それが過敏症・アレルギーです。過敏症という大枠の中でさらに4つに大別され、その中の一部がいわゆるところのアレルギーです。下に記したうちのⅠ型過敏症がそれにあたります。アレルゲンの暴露から発症までの時間が短いので、特に即時型過敏症とも言われます。これに対してⅣ型は長いと数日の経過を経て発症するので遅延型過敏症とも言われています。皆様子供のころにツベルクリン注射を受けたと思われますが、これは結核に対する抗体による過敏症反応を利用した、結核への耐性の検査です。

 Ⅰ型過敏症、アレルギーの症状はなじみがあると思います。花粉症でよくあるくしゃみ、鼻水、目のかゆみ、あるいは食物アレルギーでの消化器症状、蕁麻疹などです。総じてアレルゲンと接触した部分、あるいは離れた部分に現れる痒みや異物感、すなわち炎症の症状です。炎症というと悪いもののように聞こえますが、実はこれは外部からの攻撃を防ごうとする体の防御反応です。本来は無害なものに対して、あるいは受け入れてほしいものに対して「過敏」に反応してしまい「発症」するので「過敏症」と言います。ちなみにアレルギーという言葉は、ギリシャ語のallos(変わった、奇妙な)とergon(作用、反応)という言葉を組み合わせて1906年に作られたドイツ語です。

過敏症の分類

Ⅰ型:抗体と肥満細胞、好塩基球が関わる。血管拡張、血管透過性亢進、浮腫、痒みなどが現れる。人間では食物アレルギー、蕁麻疹、気管支喘息など

Ⅱ型:抗体が誤って自己細胞に結合し、細胞が破壊される。人間では不適合輸血、重症筋無力症、バセドウ氏病など

Ⅲ型:抗原、抗体などが結合した免疫複合体が局所に沈着し、障害を起こすもの。人間では関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど

Ⅳ型:抗体を介さない遅延型。人間だと金属アレルギー、臓器移植時の拒絶反応、ツベルクリン反応など

動物におけるアレルギー

 動物、とくに愛玩動物で多く見られるアレルギーは、犬の食物アレルギーだと思われます。痒みや脱毛などの皮膚症状として現れることが多く、それを自ら掻き壊してしまったり、また炎症のために環境が悪くなったりした結果、細菌・真菌感染を引き起こすこともあります。急速に胃腸炎を引き起こした結果嘔吐することもあります。

 また当然のことながら、食べ物以外の様々な物質がアレルゲンになりえます。人間の花粉症と同様にスギなどの樹木やブタクサなどの雑草由来の花粉や、ダニ・カビなどのいわゆるハウスダスト、ノミやダニなどの寄生昆虫が原因になることもあります。特に猫では非ノミ非食物性アレルギー性皮膚炎というカテゴリがあるほどです。

 このように様々なものが原因になることが、アレルギーの原因特定と治療を困難にさせています。極端な話、アレルギー検査をしたところでその反応性がわかるのは検査をしたいくつか~数十の項目に過ぎず、検査をしていない項目に関しては全くわからないというのが本当のところです。また上ではⅠ型過敏症を指してアレルギーと呼ぶとしていますが、犬の食物アレルギーについてⅢ型やⅣ型の関与も指摘されており、十分な解明はされていません。

 時に症状が重篤化し、全身症状を示すことがあります。アナフィラキシーと言われる状態です。この中でも症状の軽重はありますが時に生命に関わることもあります。これについては別にページを用意しましたので、そちらをご覧ください。

対策・治療法

 アレルギーの根本的な治療法は、正直なところありません。感染症なら菌やウイルスを除去する、腫瘍なら取り除くなど、困難さを無視すれば解決法はあるのですが、アレルギーの原因の中心は本人の免疫能力なので、これを取り除くことはできません。なのでこの免疫反応を起きなくすることが対策となります。

 第一にアレルゲンとの接触を避けることです。食物アレルギーならばこの方法で100%解決します。ソバアレルギーの人はソバを食べなければ問題無いように、食べなければいいだけです。食事の選択肢はいくつかありますが、最も簡単なのは療法食メーカーから提供される低分子食や加水分解食です。アレルギーの本質である抗原抗体反応は鍵と鍵穴と表現されることがあるように、正確に結合することで反応が起こります。これが結合しないように抗原となる食物の成分を細かく分解したものを主成分としています。これならば鍵穴である抗体も素通りするので免疫反応は起こりません。次点としてはアレルゲンだけを食べない除去食という選択肢です。上に挙げたソバアレルギーの例が該当します。抗体の鍵穴に合う鍵が流れてこないようにしてしまいます。これにはメーカーの提供する除去食と自作フードが使えます。自作の場合は栄養バランスと、調理器具へのアレルゲンの付着に十分注意する必要があります。

 一方で花粉やハウスダストの場合はどんなに頑張っても100%避けることはできませんが、服を着せるなどの工夫で症状の緩和を期待できます。寄生昆虫については予防薬を使うとともに、動物にも使える防虫剤を使うこともできます。成分と共ににおいに気を配ることも必要かもしれません。防虫剤はにおい強いものが多いですし。

 それでも抑えられなければ第二の手段、薬に頼ります。症状によっては最初から薬を使うこともあります。薬の三本柱はステロイド、免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬です。特にステロイドは多用されます。悪いイメージを持つ方も多いですが、用法を守っていれば問題が起きることはまずありません。抗ヒスタミン薬は副作用が少なく、単独での長期維持や他の薬・治療法と併用しての減薬も期待できます。

 薬ではありませんが、サプリメントや保湿剤、シャンプーなどによるスキンケアも有効です。荒れたままではアレルゲンが奥まで浸透しやすいので、バリアを再生させましょう。

 第三の手段として減感作療法があります。聞いたことがあるかもしれませんが、アレルゲンを極々微量から増やしていくことで体を適応させる治療法です。人間の治療でも増えてきているようです。……が、アレルゲンを投与するものなのでどこかで発症する可能性は否定できません。アナフィラキシーの危険もあります。個体差もありますが、一通りの治療をして終わりではなく、ある程度の期間での投与は継続する必要があります。選択肢としてはありますし唯一の根治療法と言えますが、障壁も多いとご理解ください。またこの治療法は手技を誤ると当然重大なアレルギー症状を引き起こします。くれぐれもご自分で行おうとしないようお願い申し上げます。

 

 繰り返しますが、アレルギーとは体のシステムに由来する病気なので、根治は基本的にはできません。減感作療法といえどもワクチンと同等以上の頻度での追加接種が必要となります。どうしてもうまく付き合っていくしかないものです。一方でコントロールできてしまえばほとんど、あるいは全く発症することなく生活することも可能です。それには飼い主、家族の皆様の協力が不可欠です。獣医師、飼い主二人三脚、あるいは動物も含め三人四脚で取り組んでいきましょう。

お問合せはこちら

お電話でのお問合せはこちら

090-3800-4957
0266-58-1521

FAX専用番号です

診療時間
9:00〜18:00
診療時間
金曜日
※木曜日終業~土曜日始業の間は完全休診となります

診療時間外でも対応可能です。まずはご相談ください。

お問合せはこちら

メールでのお問合せは、24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

お問合せはお気軽に
090-3800-4957
0266-58-1521

VISA、Mastercard、SAISON、JCB、American Express、Diners Club、Discover Coineyでクレジットカード決済