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コラム

アナフィラキシーショックについて

このたびアナフィラキシーショックを起こし数日入院しておりました。人間のみならず動物においても起こりうることです。ここに備忘録を兼ねてまとめておきます。2017年11月15日発症、一時心停止に陥りましたが間もなく蘇生、経過良好で11月18日に退院しました。

アナフィラキシーショックとは?

 アナフィラキシーとはアレルギー反応のひとつで、IgE抗体を介したⅠ型アレルギー反応と定義されています。そのうち特に重篤な全身症状を示すものをアナフィラキシーショックと言います。また単に「アレルギー」という場合は、このⅠ型アレルギーのことを指すことが多いです。 つまりアナフィラキシーとはアレルギーの激しいものとご理解ください。

 また医学的に「ショック」とは何らかの原因で心臓に血液が戻ってこなくなり、生命の危険がある状態を指します。アナフィラキシーショックの場合は強いアレルギー反応によって全身の血管が拡張するとともに血液中の水分が漏出、血圧が低下し、血液が流れなくなってしまいます。

 アナフィラキシーは様々な原因で起こります。ソバや甲殻類などの食べ物に起因することもありますし、まれにワクチンの成分によっても発症があります。今回私はハチに刺されることで発症しました。

アレルギーの分類

Ⅰ型:抗体と肥満細胞、好塩基球が関わる。血管拡張、血管透過性亢進、浮腫、痒みなどが現れる。人間では食物アレルギー、蕁麻疹、気管支喘息など

Ⅱ型:抗体が誤って自己細胞に結合し、細胞が破壊される。人間では不適合輸血、重症筋無力症、バセドウ氏病など

Ⅲ型:抗原、抗体などが結合した免疫複合体が局所に沈着し、障害を起こすもの。人間では関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど

Ⅳ型:抗体を介さない遅延型。人間だと金属アレルギー、臓器移植時の拒絶反応、ツベルクリン反応など

今回の経緯

クロスズメバチ

 2017年11月15日12時ころ、ハチに刺されました。標準和名クロスズメバチ、このあたりではジバチとして知られるハチです。本来は温厚な性格で人間を刺すことはまず無いと言われていますが、たまたま体に泊まっているところに、たまたま腕組みをして触れてしまい、その瞬間に刺されてしまいました。刺された箇所は左手の薬指。残っていた針を抜き、毒を口で吸いだしました。最初は痛いだけだったのですが、10分弱経過したところで猛烈に頭や顔が痒くなり、左手を見ると激しい発疹が現れていました。鏡を確認すると口を中心にやはり腫れと発疹が現れており、この時点で病院にいくことを決断しました。同行していた妻の運転で、他の同行者に受診の旨告げて移動開始。通常の治療で問題ないだろうと考えていました。

 近隣の病院を検索しているときに次の異常が現れました。写真のホワイトバランスをいじったように、視界が徐々に白くなってきたのです。移動を始めてから5分程度で視界が真っ白になり、意識が朦朧としてきました。妻が言うには目の焦点が合わず、首が座らず、呼吸が荒くなっていたそうです。この時点で妻が大病院に駆け込むことを決めてくれました。結果的にこれが私の命を救ったことになりました。また、近くに大病院があったことも幸運の一つです。

 病院に到着するまでにさらに5分程度、到着に前後して意識を失いました。最後の記憶は病院前のロータリーの入り口だったのではないかと思われます。この時に一時呼吸停止となりましたが、妻の必死の呼びかけで吹き返したそうです。救急科に搬送される途中で心停止したものの、こちらも短時間で蘇生し、また記憶が再開しました。目を覚ますと手足に点滴が繋がれて、バイタル測定や投薬を続々と受けていました。朧気ながら血圧が全く測定されなかったこと、氏名生年月日やここまでの経過を聞かれたことを覚えています。

 幸いにも目立った障害は無く、そのままICUに入院しました。新たに後遺症が現れることもなく17日に一般病棟に移動、さらに翌18日に退院となりました。現在は抗アレルギー薬の服用を続けています。またエピペンを処方されました。しかしながら、アナフィラキシーの常識とは言え、実際に刺されてから30分弱でこれだけ重篤な症状が出るとは恐ろしい体験をしたものです。

備考、反省点など

〇刺傷後の処置について

 ①刺さっていた針を、慌てて摘まんで引き抜いた ⇒ NG

  毒袋を絞り、より多くの毒を注入した可能性がある。そのため初回にもかかわらず重度   のアナフィラキシーを生じたのかもしれない

  カードなどの薄いもので引っ掛けるように抜く、ピンセットなどで針自体を摘まむ

 ②毒を口で吸いだした ⇒ NG

  歯茎や口腔の傷から吸収されるので良くない。口周りの強い腫れはこれが原因とも考え   られる

  野外活動時はポイズンリムーバーを携帯する

 ③発疹を確認してから病院へ ⇒ ややNG

  あの時点で受診を決めたのはいいが、刺された時点で決めるべきだった。症状の進行が   早ければ間に合わなかった可能性もある

 

〇クロスズメバチについて

  クロスズメバチは、上にも書きましたが本来は温厚な性格で人間を刺すことは滅多にな  く、しかも毒は比較的弱いと言われています。こういった特徴からか、長野県では昔から  食材として利用されています。いわずと知れたハチノコです。

  ご自分で採取される方もいらっしゃるとは思います。今回の私の事例についてはおよそ  悪い偶然がいくつも重なってしまったためとは思われますが、くれぐれも注意をし、必ず  複数人で作業なさってください。もしアナフィラキシーを発症した場合、一人では受診ど  ころか、最悪の場合脱出、連絡すらも不可能と思われます。

2017年11月22日

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