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尿路疾患

尿路疾患とは

 尿路とは、文字通りおしっこの流れる道です。腎臓で血液がろ過されおしっこの元が作られ、それが様々な処理を受けておしっことなり、膀胱に溜まり、排泄されます。この通路上の病気を総称して尿路疾患と言います。今回はその中でも比較的出口に近い場所、膀胱から先についてお話しします。

 具体的にどんな病気があるかと言えばやはり炎症と結石が重要になってきます。炎症が起きるとおしっこが変質して石ができやすくなりますし、石ができると壁が傷付けられて炎症が起きる。この二つは切り離せない関係です。

感染症

 炎症の原因として多いのは出口からの感染です。尿道の長さと開口部の関係上、オスよりメスの発症が多くみられます。ただしそれも健全な状態ならばそう簡単には感染は成立しません。菌が多少入り込み尿中で増えたところで、おしっこを出してしまえばそれは排出できるのです。また体の多様な粘膜と同様に膀胱や尿道の粘膜にも免疫機能が備わっているので、そもそも防御能力があります。逆に言えば、これらにスキができると感染が成立してしまうということです。

 では何が原因でスキができるか? 一つは冒頭で話した通り結石が該当しますが、これは次にお話しします。あるいは免疫機能の低下、たとえば生まれつきの病気や人間でいうところのエイズや白血病、ホルモン系の病気や治療のための免疫抑制剤の副作用の影響が考えられます。しかしそんな複雑なことではなく、もっと簡単なこと、おしっこを十分に出さない、出せないことでスキができてしまいます。

 最初にも言いました。菌が増えても流してしまえば解決です。しかしおしっこを出さないのであればいつまでも菌が増え続けることになってしまいます。また尿はとどまっているとだんだん濃くなります。濃くなりすぎると粘膜が傷んで、菌が食いつく余裕ができてしまいます。またあまりにも多く溜まってしまうと圧力と伸展でやはり粘膜が傷ついてしまいます。用を足さないだけで体がピンチです。

尿石症

 では結石はどうでしょうか? そもそも結石は何かといわれると、尿中に溶け込んでいるミネラルが析出したものです。乱暴な言い方ですが、塩水を煮詰めると塩が取り出せるのと同じような話です。あるいは塩の結晶を作る実験と同じで、なんらかの核となる物体があるとそれを中心に大きくなることがあります。

 前者は感染と一部原因が重なります。おしっこが濃くなり過ぎてしまうと、溶け込んでいるミネラルが結晶化して塊になってしまいます。あるいは酸性度、pHの変化が関係します。尿は本来は弱酸性なのですが、食事内容や増えてしまった菌の活動の結果アルカリ性に偏り、酸性ならば溶けていられたミネラルが結晶化してしまいます。後者としては、単純に小さな結晶が核となることももちろんありますが、炎症で傷んだ粘膜の破片が核となることを無視できません。

 そしてまた、こうしてできてしまった結石が粘膜を傷つけ、炎症が起き、その結果結石ができ……というループに陥ってしまいます。炎症が先でも、石が先でも起きてくることは同じで、どちらかあるいは両方を止めることで治療することになります。

対策・治療法

 治療・治療法の前に、果たしてこれらの症状が悪化するとどうなるか? まずはおしっこが出づらくなります。痛くて出せないこともありますし、石で狭まっていることもあります。視覚的には血尿が出ることもあります。石が多く、大きくなってくるとこれ自体が流れ出すのが見えることもあります。大きさによっては何かがキラキラしているように見えたり、砂利や小石のような大きさのものが出てくることもあります。大きな石はメスのほうが見られますが、これは尿路が太く短いためです。オスの場合は狭く長い尿路の途中で引っかかってしまいます。さらに炎症が進むとおしっこが出せなくなります。炎症がさらに痛くなったり、石で完全に塞がってしまったりです。こうなってしまうと命の危機です。おしっこが出せないということは逆流して腎臓が詰まってしまうということで、腎臓が詰まると機能が壊れ、腎不全という状態になってしまいます。こうなる前になんとかしなければなりません。

 症状が進んでしまうと簡単には治りません。食事療法や投薬で炎症を抑え、石を小さくすることもできますが、程度や石の種類にもよります。できてしまうと全く溶かせない石もありますし、溶ける石でも時間がかかったり溶け切らないこともでてきます。このようなときは手術で石を取り出す必要があります。こうなる前にそもそも病気にさせないという方向でいきましょう。

 一つには単純にお水を飲んでもらうことが大切です。お水を飲めばおしっこが出やすくなります。おしっこが出れば膀胱の負担は減りますし、菌も流せます。実に単純です。「ほっといても水は飲むし……」本当ですか? 蛇口からしか水を飲まない子の場合、その量は十分でしょうか? 冷たい水が歯肉炎に沁みてませんか? 水は残っててもちゃんと飲んでいますか? 時々は気にしてください。特に冬場は水が冷たく、沁みないまでもそれを嫌がって思ったより飲んでないケースもあるので注意しましょう。

 二つ目はきちんとおしっこを出すことです。犬ならば、室内飼いならばお散歩のときだけでなく家の中でもちゃんとトイレができるようにトレーニングしておきましょう。天気の悪い日が続いたり、飼い主さんの体調が悪くて散歩に行けないようなときでもトイレはいつも通りできるほうが安全です。猫ならばトイレはきれいに保ちましょう。猫にとってトイレは大事なリラクゼーション空間でもあり、汚れていると入らなくなることもあります。また多頭飼いのときはトイレの数は猫の数+1というのがセオリーです。

 三つ目、ストレスを感じない環境を整えましょう。おしっこを出してもらうことに通じますが、緊張していては出るものも出ないことはあります。例えば来客や引っ越し、ホテルなどがストレス源として考えられます。すべてを避けられるわけではないので逃げ場隠れ場を用意したり、様々な環境に慣れさせておきましょう。極論すれば飲んで出す、これだけなんです。

 もし病気になったときも早めに気づくと治療もスムーズです。気付くポイントはひとえにトイレ中の観察です。おしっこの姿勢をしたまま時間がかかるようだともう出づらかったり痛かったりするかもしれません。頻繁にトイレに寄るようなときも注意です。出し切れていなかったり、炎症がむずむずしていることもあります。そして出したおしっこの量や色の観察をしてください。少なくないか、赤くないか、石が混じっていないか。普段の状態との比較をできるようにしておきましょう。

 もちろん病院で検査することも可能です。実は尿検査は尿路疾患の検査としてだけでなく、全身状態の把握にも有用なんです。というのも尿は血液がろ過されたものであり、内臓やホルモンの異常を反映していることがあるのです。血液検査と違い痛いことが一切無いのもポイントです。もちろん血液検査に比べれば分かることは少ないですが、痛い思いをしないのと差し引きトントンといったとこでしょうか。ちょっとした健康診断の代わりにでも、尿検査やってみませんか?

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