退院前に実施していたハチ毒アレルギー検査結果です
まずは検査結果をご覧ください。
代表的なハチ3種に対するアレルギー検査を行いました。
名刺の間に手書きで0~6と書かれていますが、「結果」欄の数字が該当します。0~6の7段階で評価され、スズメバチ、アシナガバチに対してそれぞれ2と判定されました。ミツバチに対してはアレルギー無し。スズメバチ、アシナガバチに対しては高くはないもののアレルギーがあるようです。両親にも確認しましたがハチに刺された記憶は無いので、やはり体質なんでしょう。定量値を見るとスズメバチが頭抜けて高く、納得の結果ではあります。それぞれの項目の3行目に書かれている「IgE」というものが当たります。抗体の一種で誰の体内にもあるものですが、時々こうして悪さをします。
ちなみに、ハチ毒アレルギーを持っている場合、ハチノコを食べるとアレルギー症状を示すことがあるそうです。逆説的に、ハチノコを食べて調子が悪くなる場合はハチ毒アレルギーを持っている可能性が考えられます。そんな症状がある方は注意したほうがいいかもしれません。私はハチノコを食べたことが無いためわかりません。機会があれば食べてみたいとも思っていましたがやめといたほうが無難でしょう。
一口にハチ毒と言いますが、様々な成分を含んでいます。ヒスタミンなどの直接痛みや痒みを催す成分、直接毒となる成分、そしてアレルゲンとなる成分などです。ハチの種類によって含まれる成分や量に違いがあり、それが毒性の違いとして現れます。ちなみに含まれる成分の関係で、最も痛いのはスズメバチ類、最も毒が強いのはミツバチ類です。ただしミツバチは一度刺すと死んでしまうのでそう簡単には刺してきません。一方でスズメバチは何度でも刺しますし、針の先から毒液を吹き出すという攻撃法も持っています。その攻撃性の高さからも、スズメバチはやはり要注意です。
また、ハチに2回刺されると危ないと言われる理由がアレルゲンとなる成分です。先日私が入院した原因でもあります。ハチ毒に含まれるアレルゲンを体が覚えていて、2回目には過剰反応してしまいアナフィラキシーを発症します。中には何度も刺されているけど何ともないという方もいますし、一度きりなのに大事になるような人間もいます。まずハチに刺されないようにするのが第一で、刺されたらすぐに病院に行くようにしましょう。
すぐ上にも書きましたが、ハチに2回刺されるとアナフィラキシーを起こすと言われています。人間に限らず動物の体は「免疫」と呼ばれる機能を持っています。本来は体に侵入してきた異物を覚えておいて、2回目以降はより効果的な対策を打てるようにするシステムです。アナフィラキシーにおいてはこの効果的な対策=抗体の増産が曲者となります。1回目は痛いだけで済んだハチの毒に対して2回目は大量の抗体が防御に当たり、IgEが頑張り過ぎるとアレルギー、ひいてはアナフィラキシーを起こしてしまうという。もうちょっと歯止めをかけてくれれば良いものを……。
もちろんこのシステムは悪いだけのものではありません。本来なら同じ病気に繰り返しかからないようにするためのものですし、これを有効活用したのがいわゆる予防接種、ワクチンです。本来ならば体を守るはずの機能で逆に命が脅かされるなんて、まさに「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。
2017年12月16日
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